収入証明書とは、個人の収入を証明する書類の総称です。ローンの契約や賃貸物件の入居審査など収入証明書の提出が求められる場合があります。
収入証明書は、会社員か個人事業主など雇用形態によっても書類の発行元や手続き方法が異なるため注意が必要です。
本記事では、収入証明書の概要や必要になる場面、提出時の注意点などを解説します。
収入証明書とは個人の収入を証明する書類の総称
収入証明書とは、個人の収入を証明する書類の総称です。会社員なら給与収入や給与所得、個人事業主であれば売上から経費を差し引いた事業所得の額などを証明する書類です。
収入証明書が必要となるのは、自身の正確な収入を書類で示すことが求められる場面です。
例えばカードローンを申し込む場合、借入希望額が50万円を超えたり、借入希望額と他社借入額の合計が100万円を超えたりすると収入証明書の提出を求められます。
収入証明書のうち具体的にどの書類が必要になるのかは、用途や提出先によって異なるため、提出先へ事前に確認するとよいでしょう。
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主な収入証明書の種類と発行元
収入証明書にはいくつか種類があり、申込者の雇用形態によっても提出できる書類が異なります。
ここでは、申込者の雇用形態ごとに提出できる収入証明書の種類を解説します。
会社員・公務員
会社員や公務員などの給与所得者が主に利用できる収入証明書は以下のとおりです。
- 源泉徴収票
- 給与明細書
- 納税通知書(住民税決定通知書)
源泉徴収票は、勤務先から給与を受け取っている方(給与所得者)が取得できる収入証明書です。
1年間の収入額や所得控除額、源泉徴収税額などが記載されており、毎年、年末調整後の12月から翌年の1月頃に勤務先から配布されます。年の途中で退職した場合は、退職から1ヵ月ほどで前の勤務先から送付されるのが一般的です。
また、給与明細書も給与所得者が取得できる収入証明書です。
勤務先から月々支給される給与額、税金や社会保険料の控除額のほか、「手取り」と呼ばれる差引支給額などが記載されています。
給与明細書は、勤務先から毎月の給与支給時に配布され、ボーナス支給時には賞与明細書が配布されます。給与明細書を収入証明書として提出する場合は、賞与明細書とあわせて直近の数ヵ月分など、連続した期間の提出が必要になる場合もあります。
納税通知書(住民税決定通知書)は、給与所得者の場合、勤務先を通じて居住している各自治体から発行されます。毎年5月から6月頃に発行される書類で、前年の給与収入や給与所得額などが記載されています。
個人事業主・フリーランス
個人事業主やフリーランスの方は、毎年税務署に提出している「確定申告書の控え」が主な収入証明書になります。
1年間の収入金額や経費を差し引いた所得金額、各種控除、税額などが記載されており、事業の収益状況を証明する重要な資料です。
このほか、会社員などの給与所得者同様「納税通知書(住民税決定通知書)」が居住している各自治体より発行されます。
共通で使える書類
給与所得者、個人事業主など雇用形態を問わず取得できる公的な書類として「所得証明書」や「課税証明書」があります。
所得証明書は、1月1日から12月31日までの1年間の所得の総額を証明するものです。その年の1月1日時点で居住している自治体の市区町村役場で発行できます。
一方、課税証明書は、合計所得額に応じた住民税の課税額を証明する書類で、所得金額も記載されているため、収入証明書としても使えます。
なお、自治体によっては細かい記載内容や名称が異なることがあります。また、所得証明書と課税証明書は、発行にあたって所定の手数料が必要になるため注意が必要です。
収入証明書の提出が必要になる主な場面
収入証明書は、自身の正確な収入を証明する必要がある場面で提出を求められます。ここでは、収入証明書の提出が必要になる主な場面を解説します。
金融関係
消費者金融などの貸金業者のカードローンやキャッシング枠が付帯したクレジットカードなどを申し込む際、以下のいずれかに該当する場合に収入証明書の提出が必要になります。
- 一つの貸金業者の利用限度額が50万円を超える場合
- 一つの貸金業者の利用限度額と他の貸金業者からの借入の合計額が100万円を超える場合
上記の条件は貸金業法によって定められており、条件に該当するときはどの貸金業者でも同様に提出が求められます。銀行などの金融機関も、融資の際に返済能力を確認するため収入証明書の提出が必要になることがあります。
また、一般的に住宅や車などの大きな買い物をするためにローンを利用する場合も、収入証明書の提出が求められます。
収入証明書の提出を求められる理由は、「住宅ローン」や「自動車ローン」がほかのローンと比較して融資金額が大きくなる傾向にあるためです。
仮に返済できないと貸主が大きな損失を被る可能性があるため、収入証明書や信用情報などをもとに、融資の可否や融資上限額を判断します。
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住居関連
賃貸物件の入居審査でも、源泉徴収票や確定申告書など収入証明書の提出を求められることが一般的です。
なぜなら、申込者の収入などの資力をもとに、家賃の支払能力があるかどうかを審査で判断する必要があるためです。貸主としては、家賃の支払能力が低い方の入居を避けたいため、申込者の正確な収入を客観的に把握できる収入証明書の提示を求めます。
なお、入居審査時には収入証明書が不要でも、賃貸借契約の際に提出を求められる場合もあります。物件を借りるときは、必要な書類について事前に確認し、適切な準備をしておきましょう。
行政・社会保険
公的な手続きにおいても、所得制限の確認や負担額の算定のために収入証明書が必要です。
例えば、認可保育園(保育所)の入園申し込みでは、世帯の所得に応じて保育料が決定されるため、収入証明書を提出します。児童手当などの給付金申請でも、所得が支給要件を満たしているか確認されます。
また、配偶者の社会保険の扶養に入る手続きでも年収の確認が行われます。配偶者の健康保険の被扶養者になるためには、年収が一定額以下などの基準を満たす必要があるためです。扶養認定の手続きでは、課税証明書などの公的書類に加え、直近の給与明細書などが判断材料になる場合もあります。
収入証明書提出時の注意点
収入証明書を提出するときには、主に以下の2点に注意が必要です。
- 最新の書類を提出する
- 提出先によって書類が異なる
最新の書類を提出する
収入証明書は、原則として直近の状況を反映した「最新の書類」を用意する必要があります。源泉徴収票なら前年分、給与明細書なら直近数ヵ月分が該当します。古い書類では現在の返済能力を証明できず、有効とみなされない可能性があります。
役所で発行する課税証明書などは、毎年6月頃に新しい年度のものに切り替わります。5月から6月にかけて必要になる場合は、提出先が求めているのが「前年度分」か「新年度分」か、提出先によく確認しましょう。
提出先によって書類が異なる
金融機関や目的のローンによって、提出できる収入証明書の種類は異なります。
例えば、給与明細書が収入証明書として認められているローンもあれば、公的な課税証明書などが必須となるローンもあります。
どの書類が必要になるのかは、提出先に事前に確認するとよいでしょう。
まとめ
収入証明書とは、源泉徴収票や課税証明書など個人の収入を証明する書類の総称です。会社員なら勤務先で発行される源泉徴収票や給与明細書、個人事業主なら確定申告書の控えなどが主に使われます。また、雇用形態に関わらず役所で発行できる所得証明書などもあります。
ローンの契約や賃貸物件の審査、行政手続きなど提出が必要な場面は多岐にわたります。スムーズに手続きを進めるためにも、目的に合った書類の種類と入手方法を把握しておきましょう。
監修者:高柳 政道
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®、DCプランナー2級 金融コラムニストとして資産運用・生命保険・相続・ローン商品・クレジットカードなど多岐にわたる執筆業務と監修業務に携わり、関わった記事案件は500を超える。 企業に属さないFPとしても活動し、客観的な立場から投資・保険商品の選び方を中心に情報発信を行う。